サービス提供と顧客づくりを追究
ねもと整体&ストレッチスタジオ<後編>
創業5年目にしてこの春、新店舗をオープンした「ねもと整体&ストレッチスタジオ」。個人で創業し、事業を継続させていくことは決して容易ではありませんが、創業者の根本 大氏は、ここまで着実な経営を行い、事業を軌道に乗せてきました。小規模事業者の同院がどのようなことに力を注ぎ、経営を行ってきたかお伝えします。
他より10倍以上の効果を感じてもらうサービスを!
「地域に開かれた」整体院をめざし、「ねもと整体&ストレッチスタジオ」を開業した根本院長。オープン当初から地元商店街やNPOと協力体制を構築し、地域に溶け込みながら事業展開を図ってきました。具体的には商店街の人などを対象にしたストレッチ教室の他、NPOや地元のイベントでの体験整体などがあげられます。
「店舗の外に出てみて、この周辺に整体のニーズは確かにあると分かりました」と根本院長。地域とのつながりを築くとともに、店舗や技術をPRし、顧客開拓にも努めてきました。
そして、根本院長が重視してきたのが顧客化。つまりリピーターの獲得です。「いくら新規顧客を獲得しても、1度限りの来店で終わってしまっては顧客に本当に認められた商売とはいえない」。そう根本院長は考えていました。
では、本当に認められる商売や商売・サービスとはなんでしょう?同院の場合、やはり重要なキーは施術の技術です。根本院長は開業後もその向上をめざし、研鑽に励んできました。「週に1回は整体やトレーナーの勉強会に参加し、新たな知識の習得や施術の疑問点の解消などの時間に費やしています。」と根本院長は語っています。
肩こりや腰痛などの悩みを持つ人はとても多いです。しかし、ほとんどの人はその治療に保険診療を受けられる病院や整骨院に行きます。一方、根本院長のところは自由診療です。つまり圧倒的な価格差があります。これを埋めるには、顧客が本当に満足するサービスを提供できないと商売は成り立ちません。
「お客さまに10倍以上の効果を感じてもらえないと、生き残っていけません」。根本院長ははっきりと語っています。保険診療と自由診療ほどの価格差はなくても、多くの中小企業の商業・サービス業者が競合(特に大手企業)との価格差に苦しんでいます。
その価格差は同院を見るまでもなく、やはり価格ではなく、これに見合うサービスであり、そして、このサービスを受け入れてくれる顧客づくりではないでしょうか?
<経営支援を受け、技術力・サービス向上に専念>
「地域密着」、「技術力」、「顧客づくり」と同院の事業展開のキーを3つあげてみましたが、これらを推進するうえで根本院長が大いに活用したのが、KIPや県の支援策でした。もともと同院は、KIPが実施したチャレンジショップ支援事業の認定を(平成18年度)を受けてオープン。
この場を通して、根本院長と地域活性化をより強く意識するようになったそうです。
「地元商店街やNPOの方も紹介してもらいました。あと認定後に支援を受けて助かったと思うのが、集客・顧客づくりです。
治療や整体の技術には自信を持っていますが、集客方法はよく分からなかったのが本当のところです。店舗づくりやロゴなどのデザインも含め、その道の専門家にアドバイスをもらったことが良かったと実感しています。」と根本院長は語っています。
もう一つの技術力向上でも、経営面のアドバイスがあったからこそ、治療や整体に専念することができたとしています。
根本院長は経営の拡大も視野に入れています。そこで、課題となるのが根本院長のサービスを提供できる施術者の育成です。根本院長のサービスに満足して通ってくる顧客の期待に応えられる人材なくして、経営の拡大はあり得ません。しかし、根本院長は決して焦って、事を早く進めようとはしていません。
「今のお客さまを満足させ続けることが一番大事です。そこから少しずつお客さまが増えると同時に、人づくりもできればと考えています」根本院長は語っています。